お得に優待がもらえる【クロス取引】ってなに?~超・初心者のための取引方法・注意点まとめ~

クロス取引って聞いたことはあるけど、どういうことか全然わからない。
優待目当てで株式を購入したけど権利落ち日に株価が凄く落ちちゃった!

なんて方もおられるのではないでしょうか。

株主優待目的で投資を行った場合、権利落ち日に株式を手放す方が一定数います。
その関係で権利落ち日にどんっ!と株価が下がることがあります。

その株価の変動リスクを最小限に抑えていく方法が、【クロス取引】です。

ここではクロス取引とはなにか、について話していくね

この記事で分かること
  • クロス取引とは何か
  • クロス取引を行うための手順・スケジュール
  • クロス取引を行う時の注意点

クロス取引とは

同じ銘柄を同株数で現物株式の買いと信用取引の売りを同時に取引する手法のことです。


現物株式の買いと信用取引の売りを同時に行うことで、株価の変動で生じる損失を相殺することができるため、現物株式の価格がどれだけ変動しても損をしない仕組みです。

権利付最終日に購入し、権利落ち日に現渡を行えば最短1営業日のみの株式保有だけで優待を受け取ることができるため、短期間でお得に株主優待を貰うことができます。

優待クロス・つなぎ売りともいうよ

クロス取引を行うには信用口座を開設する必要があります。
一度開設した証券口座内で追加開設するだけで簡単にできます。

クロス取引のスケジュール

  • Step1
    証券口座・信用取引口座の準備
  • Step2
    優待銘柄を選び、信用売りと現物買いを同数・同時発注 
    権利付最終日まで保有
  • Step3
    権利付最終日取引終了後、(15時半以降に)現渡

  • Step4
    株主優待が届く

Step1.証券口座・信用取引口座の準備

証券口座開設については下記の記事で解説しているので、そちらを参照してください。

証券口座を開設後、追加で信用取引口座を開設します。(証券口座開設時に同時に申し込むことも可能)

信用取引口座開設にも審査があり、入力項目がいくつかあります。(詳しくは各証券会社の口座開設基準などを参照してください)
それらをすべてを入力し、申し込みを行います。証券会社にもよりますが、5営業日程度で審査結果が届きます。

信用取引区分

制度信用一般信用
対象銘柄取引所がに選定証券会社が選定
返済期限最長6か月無期限・短期
(各証券会社によって異なる)
貸株料割安割高
逆日歩発生する可能性ありなし

クロス取引では一般信用取引をおすすめします

貸株料が割高であったり、対象銘柄が証券会社によって異なるというデメリットはありますが、逆日歩というリスクを回避することができます。逆日歩の詳細は後述します。

Step2.優待銘柄を選び、信用売りと現物買いを同数・同時発注 権利付最終日まで保有

  • オリエンタルランド(4661)を例に挙げてみましょう。

オリエンタルランド(4661)の権利付最終日は2024/3/27。
27日の権利付最終日前場(9時開始)までの場が閉まっている間に、信用売りと現物買いを同時発注します

一般信用では、権利付最終日に近づくにつれ株数が減り、信用売りできなくなる可能性があります。
優待銘柄を選定したあとは、一般信用売りの株が無くなる前に発注をかけましょう。

ただし、一般信用売りを行う時は貸株料がかかるよ
手数料コスト>優待価値にならないように気を付けて

Step3.権利付最終日取引終了後、(15時半以降に)現渡

2024年11月5日より、東証の取引時間が15時から15時半に変更されました。よってクロス取引時間も変更になっているので注意が必要です。

権利付最終日後場後(16時以降がいいです)、現渡を行い取引を終えます

15時半に後場は終了しますが、すぐに発注すると権利付与されない場合があるそうなので、早くとも16時以降。
可能なら翌日の前場までに行うのが良いようです。

優待クロスは市場が閉まっている間に行うのがポイント!

市場が始まっている時に行うと不正を疑われたり、同じ値段で購入できなくなるから気を付けて!

Step4.株主優待が届く

ここまでくればあとは株主優待が届くのを待つだけになります。

画像はわたしが持っている株主優待の一部です。
毎月何かの優待銘柄が届くのでいつもワクワクしながら郵便ポストを覗いています。

株主優待は権利確定日から約2.3か月後に届きます。
それまではわくわくと楽しみながら待ちましょう。

クロス取引の手順を証券会社ごとにまとめた記事も参考にしてみてね

松井証券の『クロス注文機能』がすごい

優待クロスの概要は分かったけど、やっぱりめんどくさい・・・。という方には松井証券の『クロス注文機能』が最適だと思います。

『クロス注文機能』のすごいところ
  • 一度の注文で、現物株式の買い・信用取引の売り両方の注文を一括でしてくれる
  • 株数発注を間違えない
  • 市場が開いている間でも発注可能!

こんな魅力的な機能が無料で使えるなんて松井証券しかありません!

気になった方はここから松井証券のリンクに飛べるよ

クロス取引を行う際の注意事項

  • 優待クロスで発生する手数料を把握する
    現物・信用取引手数料、貸株料・逆日歩(制度信用のみ)これらが必ず発生するので、取引手数料>優待価値とならないように注意しましょう。

  • 配当金はもらえない
    現物取引では配当金を受け取ることができますが、信用取引では配当調整金を支払う必要があります。
    そのため、配当調整金は配当金と相殺されて優待クロスを行った場合受け取ることができません。

  • 長期保有の株主優待はもらえない
    オリエンタルランドを例に挙げると『100株以上を3年以上継続して保有』という長期優待取得のための条件があります。優待クロスでは権利付最終日後に一度株を現渡する過程で株を手放すため、次の権利付最終日までに買い戻したとしても長期優待の権利はもらえません。

  • 逆日歩が発生する可能性がある
    逆日歩は決まった金額がありません。
    信用売の需要が高まると株が不足します。その時に証券会社が他機関に株をレンタルすることで発生する手数料になります。なので想定外に高額になる可能性も否定できません。

手数料

  • 現物取引手数料
  • 信用取引手数料
  • 貸株手数料
  • 逆日歩(後述します)

現物取引手数料・信用取引手数料は各証券会社によって異なります。
SBI証券・楽天証券は約定代金にかかわらず無料(0円)!こんな嬉しいことってないですね。

貸株料とは『信用売りを行う際に、株を借りるためのお金』のことを指します。

貸株料計算

約定代金 × 貸株料率(%)÷ 365 日× 信用売した株の保有日数

貸株料は証券会社によって異なりますので、必ず確認しましょう。

逆日歩

優待クロス(制度信用取引)を行うために信用売りを行った際に、その銘柄がとても人気で需要が高まると証券会社が保有している株が不足します。


株が不足した際に証券会社が他機関に株をレンタルすることで発生する手数料になります。

逆日歩の値段はどの程度なのか、それはその時の需要によるので予測がつきません。逆日歩が数万円になった、なんて例もあるようなので制度信用取引より一般信用取引をおすすめします。

まとめ

  • クロス取引とは、同じ株数の銘柄を現物株式の買いと信用取引の売りを同時に発注する方法のこと
  • 株主優待を行う手順・スケジュールはたったの4ステップでできる
  • クロス取引を行う際の注意事項は、現物取引手数料・信用取引手数料・貸株手数料・逆日歩(制度信用のみ)の手数料がいくつか発生すること。特に制度信用を行う時は逆日歩に要注意
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